11月8日の「イイ歯の日」にNHKでインプラント周囲炎の話題が取り上げられたこともあり、インプラント周囲炎関係の問い合わせやアクセスが増えています。
番組内容は確かにフェアとは言えない内容で、インプラント治療の不安を煽るだけだとの批判も聞こえます。ブリッジや入れ歯による治療も、インプラントと同様に歯磨きやメンテナンスが重要なのに、インプラントだけが問題であるような表現だったからです。
それ以前にご自身の歯も同様に磨けていなくてはならないわけで、いかなる治療も歯を失った原因を解決しないままでは長く使うことはできなということです。
さて、実際にインプラント周囲炎はどう見えるのか、簡単な見つけ方はないのかはあまりよく知られておりませんので、動画を作りました。インプラントの周囲の歯肉を押すと膿が出てくる様子です。もちろん歯周病の場合も同様で、ご自身の歯の周りから膿が出てきます。前歯の表であれば、自分で発見できるかもしれません。
膿が漏れると書いて「膿漏」です。つまりこれが歯槽膿漏という状態で、歯周病・インプラント周囲炎の病態の一つです。
厳密に言えばこのビデオは、まだ骨にまで破壊が進んでいない「インプラント周囲粘膜炎」というインプラント周囲炎の前段階なのかもしれません。しかし現場では対策に区別はしませんので、ここではインプラント周囲炎と一括りにさせてもらっています。
インプラント周囲炎は進行すると、レントゲンを撮った時にたまたま隣に写ってきて発見されることも稀ではありません。しかし軽度のインプラント周囲炎はレントゲンでは判断できない場合が多いので、それだけに頼ってはいけません。
ですから私達は定期診査の時にはかならず顕微鏡を用いて歯肉を押し、膿が出ていないかを確認しています。
なお定期検診は、日本顕微鏡歯科学会認定の常勤歯科衛生士が担当いたします。