Pg菌とは
Pg菌は主に口の中に生息する細菌で、一般的に歯周病の原因菌と呼ばれています。
口の中には500~1,000種類の細菌が居ますが、その中にPg菌が居ると歯周病やインプラント周囲炎の発症率や重症度が一気に増すことが解っています。実際にはPg菌それ自体が歯周病の原因ではなく、他の細菌に骨を破壊するよう命令を出す司令塔になっています。オーケストラの指揮者のような役割…と言えば良いでしょうか?指揮者は楽器を持たず、楽器を持った人をまとめる役ですから、同じような感じですね。
骨を壊せ!という交響曲を演奏されたら困りますから、治療や予防にあたってはその司令塔を弱くする、つまりPg菌の量を少なくする必要があります。逆に言えばPg菌が指令をガンガン出している限りは、いくら歯科医院で治療をしても、あまり効果がないかもしれません。
正式にはPorphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジバリス)と言うのですが、あまりに長いのでPg菌と略されます。
Pg菌はアルツハイマー型認知症の原因にも
Pg菌は歯周病にだけではなく、全身の様々な病気と関わりが深いことが解っています。その一つがアルツハイマー型認知症です。
アルツハイマー型認知症患者の脳を調べてみると、なんとPg菌が高い確率で見つかるのです。口の中の菌が脳にまで達するには、潰瘍になっている歯肉から血液中に流入するか、飲み込んだPg菌が胃酸で分解されず小腸に達し、そこから血流に乗り脳に侵入するという、長い道のりがあります。
しかもそこには様々なフィルターがあるはずなのですが、それを通り越して脳にまで達することに、全世界が驚いたわけです。詳しくは以下の書籍をご参照ください。

アルツハイマー型認知症はがんと並んで発症率が高く、発症しても治療方法は事実上ないに等しく、膨大な医療・介護費など巨額な経済負荷ががかかることで、世界中でその対策の研究が進められれています。
Pg菌はその他にも、動脈硬化・消化器がん・間接リウマチ・糖尿病など、様々な病気に大きく関わっていることが報告されています。
Pg菌のPCR検査が18分で完了
歯周病の細菌検査は昔からあるのですが、価格・正確さ・結果が出るまでの時間などにいろいろ問題がありました。
しかしこの度、当診療室で導入したシステムは、大型検査機器にも負けない精度を持った新システムです。
しかも一般的なPCR検査と違い、量まで測れる定量的PCR(qPCR)と呼ばれるもの。これが僅か18分で結果が出るのですから、技術の進歩は素晴らしいですね。
検査システムは大阪大学発ベンチャーiCat社のQUON、実は吉田とiCat社は十数年の付き合いがあり、常に最新情報が入手できます。



検査の実際
検査は唾液を用います。専用の容器にストローで唾液を流し込んで採取します。
食材の影響を避けるために採取には食後4時間以上開け、歯磨きはしていない状態で採取します。
唾液がよく出るように、よく水を飲んでおきましょう。
2025年内は¥11,000で提供

検査代はは¥16,500ですが、2025年いっぱいは¥11,000でご提供いたします。多くの方にこの検査を通して、自分の現在地を知っていただき未来に活かしていただきたいと思っています。
検査は当診療室の歯科衛生士が担当いたします。
なおこの QUON はPg菌以外の歯周病菌も測れるのですが、まずは最も安価なPg菌一種類だけの検査をお勧めしています。
Pg菌の脅威は5年経っても周知されていない
実は5年前に、別会社が同じ目的でPg菌検査システムをリリースしたとき、ご好意で10人分の無料検査をいただいた事がありました。
早速私が配信しているメールニュースで先着順で検査無料と公募すると、コロナ禍にも関わらず数時間で定員に達してしまいました。
すごい反響だと思い、10人目以後となった数十人に通常料金による検査をお勧めしました。ところがその中からは検査をする人は1人もおられませんでした。
結局無料という言葉に釣られただけで、事の重大性はまったく伝わっていないのだと反省したものでした。詳しくは幻冬社GOLD ONLINEに寄稿した以下の記事をご覧ください。
5年経ってもPg菌の脅威は、まだまだ一般に周知されていませんが、QUONの普及できっかけが掴めたらと思います。
検査結果を歯磨きのモチベーション維持に活かす

実は歯周病の細菌検査は、やる意味がないと考える歯科医師がまだ大多数です。検査をして結果が出ても、歯科医院側がやることはまったく変わらないというのが主な理由です。
しかし検査結果を見ると歯を磨く意味が明確になり、モチベーションがまるで変わります。目標もなく、ただ漫然と歯を磨くという事が無くなるのは大きな成果だと思います。
女性の方は入浴や洗顔に美容という目的意識を強く持って楽しんでやっている人が多いと思います。日々の歯磨きも、これで同様に行う事ができるようになるわけですね。
Pg菌を減らす意味
実はPg菌には遺伝子型が6種類あり、その中でも2型と呼ばれるものの悪性度が非常に高い(高病原性と言います)ことが解っています。運良く他の型のPg菌であれば、歯周病もインプラント周囲炎も重症化しないかもしれません。
ところがアルツハイマー型認知症やがんなどには、どの型のPg菌が関与しているのかはまだ不明です。だからPg菌全体の量を減らすことは、将来の発症リスクを大幅に下げることになります。
そのためPg菌のPCR検査は歯周病治療やインプラントを使っている人だけが対象ではなく、すべての人に価値がある検査と考えています。
口の中の細菌の量を必要以上に増やさないように歯磨きを徹底することと、Pg菌をターゲットにした歯磨剤を使うのはたいへん有効だと考えています。
現在、PG STOPとSP-Tという歯磨剤を用意しています。

QUONはPg菌の量まで分かる定量的PCR検査ですので、歯磨きの努力の成果を確認する事ができるのも大きな特徴です。ですから約3ヶ月後に再検査をして評価することが重要になります。
なおPg菌が歯周病やインプラント周囲炎を発症する仕組みなどは、以下で解説しています。合わせてご覧ください。
吉田 格(よしだ いたる)
東京銀座の自由診療専門の歯科医師。自由診療による本当の標準医療と厳選された代替医療を併用し、健康保険では解決しない歯周病・インプラント周囲炎・根管治療などを多く手がける。顕微鏡・レーザー・栄養療法では指導的立場にある。詳しくは以下をご参照ください。




