
顕微鏡治療中の筆者
悔いのない選択を
今、歯科界の流れは明らかにインプラントです。歯を残すための根菅治療は困難だし苦労するわりに治療成績が悪い、そんな事より早く抜歯してインプラントに置き換えた方がよっぽど良いと考える歯科医師が多いのはある意味当然です。
しかし顕微鏡の出現により、私達は新しい選択肢を患者さんに提供できるようになりました。
今、医療には様々な選択肢が存在します。私達はいくつかの案を提示し、それぞれの長所、短所を説明します。もちろん患者さんにはそれぞれ事情があり、いくら優れた治療法とわかっていても、今はそれを選択できないことがあります。
「子供の学費にお金がかかる」「仕事が忙しくて治療時間がとれない」などの理由はしかたがない事でしょう。
しかし何年か後で改めて顕微鏡歯科治療を受けたいという患者さんも大勢おられます。私達はそのような方達に、一つお願いをしています。それは、悪くなった原因を考え、積極的に歯のケアに取り組んでほしいということです。丁寧な歯磨きだけでなく、食べ物や食べる時間、噛む回数などに気をつけることで悪循環を断ち切り、来るべき日に備えていただきたいのです。
そして、いずれ余裕ができた時、ぜひ顕微鏡で確実な歯科治療を受けていただけたらと思っています。
「マキノ出版 安心 2010年1月号 p80~83 歯を抜かず削らず治す!悩み吹き飛ぶ最新療法」より
