歯を拡大して見ることで
根管治療などの治療のやり直しが
正確にできる顕微鏡治療術・2

根管から撤去された破折器具
 

前の治療で残された器具が見つかることも

たとえば根管治療というものがあります。よく言う歯の根の中の治療のことです。
 
根管は狭く暗いだけでなく、すでに感染原や異物が混入している複雑な環境です。今まではその中をレントゲンを頼りにほとんど手探りで治療するしかありませんでした。
 
ですから感染した歯の削り残しや、逆に削り過ぎてしまう事が普通にあり、それに気付くことすらできなかったわけです。
 
また何とか神経や血管は取ったが、肝心の細菌はまだ残っているという状況が頻発します。塞ぎ方も肉眼では徹底できず、見えない隙間が残りやすいのです。
 
これではいくら治療しても長く持たないのは明らかで、再治療を繰り返します。
 
しかし顕微鏡を用いると、そういった不備はかなり減らせるようになります。深部にある微小な感染や損傷を見つけ、特別な器具を用いて必要なだけ削ったり修復したりすることができます。この差は非常に大きいといわざるを得ません。
 
また以前の治療中に破損し取り残された治療器具の破片を見つけることがあります。ファイルという細い針が折れることはたまにあるのですが、これが折れて根管に残ってしまうとまず除去できません。
 
しかし顕微鏡を通せば除去できるものもあり、治療再開へ道が開けるのです。こうした点は顕微鏡歯科治療の精度の高さを象徴する話といえるでしょう(こちらのビデオ参照)。
 

精密な治療は時間もかかる

私達の診療室には「以前ムシ歯を治療してもらったところが再び痛み出した」「神経を抜きましょうといわれた」「抜歯してインプラントにしなくてはならないらしいが」という相談が増えています。しかしこれらは顕微鏡を覗く事で、別な道が開ける可能性があります。
 
もちろん顕微鏡を覗けば何でも治す事ができるわけではありません。しかし諦めるのは早いかもしれません。
 
私も初めて顕微鏡を覗いたときには、肉眼による治療との歴然とした差に本当に驚いたものです。従来の方法ではあまりに不備が多いのです。
 
しかしよく見えるという事はそれだけやる事が増え、治療時間がかかる事にもなります。これではただでさえ制約の多い健康保険の中ではもう行うことはできません。
 
小さなムシ歯でも1時間ほどかかり、費用は3万円くらいからになります。
 
ただ、費用対効果という観点からいえば、ひじょうにお得と思います。「悪くなったら医者が治してくれる」と思っている患者さんは多く、反省もせず再治療を繰り返すのが普通です。
 
しかしたとえば既に神経をとった歯の再治療とは前回より難しく、かなり高率でいずれ抜歯へと向かいます。ですから再治療にならないように、最初から顕微鏡を用いて確実な治療が行われれば良いのです。これは生涯を通して大幅なコストダウンに繋がるのです。
 

 
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